社会保険・雇用保険の今後の適用拡大について
政府は短時間労働者が社会保険に加入する際の要件として、従業員数101人以上となっている企業規模要件の緩和に向けた検討を始めました。
既に2024年10月より、従業員数51人以上への引き下げが決定しておりますが、今後はこの人数要件を撤廃する方向で検討を進めております。
2024年末までに詳細を詰め、次期年金制度改革をまとめる25年以降の新制度導入を目指しております。
背景としては、非正規やシニア労働者の増加などによる働き方の多様化や、同じ働き方をしていても会社規模により厚生年金の対象外となる不公平感などがあります。
企業規模に限らず、収入に見合った給付を見込めるようにすることで、働き手の保障を増やすことが狙いと思われます。
また、政府は雇用保険についても2028年度までに、週20時間未満の労働者についても対象とする方針を示しています。週の所定労働時間、年収要件、雇用期間などの詳細については今後、労働政策審議会で議論を進めることとなっています。仮に週の労働時間を15時間以上に対象を広げた場合、新たに300万人の労働者が対象となり、労働者にとっては失業時に給付を受けたり、育児休業給付金なども支給される等、キャリア形成の面でもメリットがあります。
社会保険、雇用保険ともに適用拡大が進めば、人件費増加につながり、企業にとっては大きな影響があります。今後の動向に注意が必要です。